店作りと親切

日本にあるすべての店は「親切丁寧」を掲げています。

あなたの店も、社訓、社是、行動規範、スローガン、ストアポリシーのどれかには必ず「親切丁寧」の文字があるはずです。

あなたは「親切丁寧」と聞いてどう思いますか?

私の場合は、子供の頃、親に「勉強しなさい」と言われるのと同じ感じです。うっとうしいです。

正直言って、「親切丁寧」についても同じことを思っていました。

だって、社長も、上司も、先輩も、コンサルタントも、みんな同じことを言うんですもん。

その上、カリスマ経営者も、本や講演で、やはり同じことを言っているわけです。

これだけ聞かされたらうっとうしくなるのは仕方ないかもしれませんね。

残念ながら、そのうっとうしいことを私も言わなければなりません。

店作りのベースになるのは親切なのです。

私は「好感度の高い売場を作りましょう」と言っていますが、これ、親切度の高い売場と言い換えることもできます。

お客に「あったかいコーヒーはどこですか?」と聞かれたら、コーヒーの売場まで案内すべきです。

あなたは案内していますか?

たぶん、していないでしょう。卑下することはありません。現にほとんどの店はしていないのです。

おそらく、案内したくても、人が足りなくてできないのが現実でしょう。

しかし、「人が足りなくて案内できない」で済ませていませんか?

「だから仕方ない」では不親切ではありませんか?

なぜ、代わりの方法を用意しないのでしょうか?

店員が一緒に行かなくても、お客にわかる仕組みを作ればいいんです。

たとえば、売場や什器に記号を付けるとか。

あちらとか、こちらとか、右とか、左とか言うより、「A?1の棚にあります」と言う方がはるかにわかりやすいでしょう。

親切とは、店員の応対のことだけではありません。売場作り、店作りの姿勢そのものなのです。

お客が買いやすい売場を作るのも、居心地のいい売場を作るのも、お客が買いたい商品を揃えるのも、親切が基本になければ、いい店など作れないのです。

あなたのお店は、親切で溢れていますか?

     小宮秀一   
  コラム   

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