あなたは、「売りたかったら聞き上手になりなさい」と言われたことはありませんか?
「自分が話すのではなく、お客に話をさせれば売れる」と言われたことはありませんか?
これ、間違いではありませんが、誤解を招く表現です。
売りたかったら売り手も話す必要があります。
なぜなら、セールスとは商品を売ることではないからです。
「商品を売るな!ベネフィットを売れ!!」
「商品を売るな!ソリューション(問題解決)を売れ!!」
「商品を売るな!メリットを売れ!!」
「商品を売るな!未来を売れ!!」
私たちは商品によって得られる何かを売っています。それが何かは、あなたが話さなければお客はわかりません。
人は、知らないものは決して欲しくならないのです。
「売りたかったら聞き上手になりなさい」と言う人は、99%法人営業の出身です。
実は、法人営業なら、お客に質問をしていくだけで売ることができます。
質問によってニーズを見つけ、そのニーズを満たすことができれば成約に近づけます。
法人相手の場合、契約の成否は、お客が求める質、予算、納期を満たすことができるかが勝負です。
したがって、法人営業なら、聞き上手と言うか、質問力が重要になります。ニーズを見つけることができなければ始まりませんからね。
お客の話を聞くだけならプレゼンテーションは必要ありません。プレゼンテーションの必要がなければ、トークの技術を磨く必要もありません。
もしかしたら、若いセールスマンが聞き上手営業に飛びつくのは、本当は楽したいからなのでしょうか?
しかし、一般の消費者が相手だと話は全く違います。
多くのお客は明確なニーズやウォンツを抱えているわけではありません。
黎明期のパソコン販売では、「パソコンでやりたいことが見つかってから買いに来てください」と言う接客をしていました。
要は、法人相手に売るのと同じことを個人のお客にやっていたんですね。
この接客は辛口のパソコン専門誌に叩かれました。
「使い方次第だって? 何に使えるかわからないから聞いているんだよ!」
おっしゃるとおりです。反省した私たちは、普通の消費財と同じ売り方をするようになりました。
どうしたかと言うと「未来を売る」ことにしたのです。
「パソコンを使うとこんな未来があります」とプレゼンテーションするようになったのです。
未来を売りたいなら、私たちが話さないと伝わらないですよね。だって、お客は未来について知らないんですから。
セールストークは磨くに価する価値のある技術です。しかも、あなたやあなたの部下は、実践で腕を磨けるのです。
この機会を無駄にしないでください。