売れる商品との向き合い方

売れるのが明らかな商品があるとき、あなたは次のどちらの姿勢で取り組みますか?

A.売れる商品をもっと売る。

売れる商品は多額の販促費を掛けることができます。だから、販促に投資して売れる商品を徹底して売りまくります。

B.売れる商品をエサにして、クロスセル、アップセルに注力する。

売れる商品は販促費を掛けなくてもお客が来ます。だから、売れる商品目当てに来店したお客に、他の商品を買ってもらえるような販促に投資します。

 

それぞれにそれなりの言い分があり、どちらがいいとは言えません。しかし、どっちがカンタンかは明らかです。

売れる商品をもっと売る方がカンタンです。

なぜなら、Bは多くの商品を扱う必要があり、トータルな売場作りも含めて、高度なマネージメントが必要だからです。

それに比べると、Aは扱う商品が限られている分、仕事量も少なくなります。仕事量が少ない方がカンタンなのは言うまでもありませんよね。

また、Bなら、それなりのレベルの人が何人も必要ですが、Aなら一人でもできるでしょう。

ちなみに私は、常にAを選択してきました。Aの方がカンタンだから。私は自分の能力を過大評価しないのが長所です。

しかし、廻りを見るとBを選択することが多いようです。

私がBを選ぶことはありえませんが、Bを選んでしまう心境は理解できます。

はっきり言って、売れる商品をいくら売っても評価されないのです。なぜなら、売れて当たり前だから。

私は初代iMacを徹底して売りまくり、’99年の12月に開店以来最高の3億円を達成したことがあります。

実に、売上の7割はiMacとその関連商品でした。

そのため「三億円はすごい。でも、売れたのはiMacだよね」と言う評価になりました。

人間、他人に認められたいと言うのは基本的な欲求です。だから、難しい選択をしてしまうのでしょう。それは仕方のないことかもしれません。

ただ、一つだけアドバイス。

確かに、短期的には「○○を売ったからだね」と評価されます。正直、面白くはありません。しかし、長期的には「○○を売ったから」なんて記憶には残りません。

後に残るのは「’99年12月売上三億円」と言う数字だけです。この数字だけがあなたの実績として残ります。

ちょっとの間だけ我慢できるのなら、売れる商品をもっと売ってみてはいかがでしょうか?

     小宮秀一   
  コラム   

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