すべての出来事には原因があって結果があります。
したがって、売れないことにも原因があります。何か原因があるから売れないのです。
もし、あなたの店の売上が思わしくなければ、原因は何だと考えていますか?
お客が来ないからですか?
まあ、お客が来なければ売れませんから原因と言えば原因です。
しかし、「どうしてお客が来ないのか?」まで突き詰めないと対策は立てられないですよね。
売れない理由は様々ですが、実は、徹底的に突き詰めると次の2つにたどり着きます。
1.お客があなたの店を知らない
お客があなたの店を知らなければ来るわけがありません。
原因がこれなら対策は単純です。何よりもまず、店を知ってもらうことが最優先です。
そのためには、どんな方法を使ってでも一度店に来てもらうことです。
「どんな方法を使ってでも」とは、たとえば、来店した人にもれなく100円差し上げるとかです。
近所のお宅や法人を訪問して告知すれば、少なくない数の人が来店するはずです。
もちろん、店に来るのは100円欲しさの人ばかりです。
でも、それで何か問題ありますか?
2.お客の欲しいモノがない
お客がいるのに売れないのは、お客の欲しいモノがないからです。
モノと書いたのは、お客が欲しいと思うものは商品だけではないからです。サービスもそうですし、商品の提供の仕方も「欲しいモノ」の中に含みます。
たとえば、欲しいときに店が開いてないのも、欲しいときに在庫がないのも「欲しいモノがない」のと同じことです。
大手が安くて対抗できないのも、お客の買いたい価格で提供していないので、やはり「欲しいモノがない」のと同じです。
では、お客が欲しいものを見つけるにはどうしたらいいのでしょうか?
まあ、それがわかったら誰も苦労しません。私はその方法を知りません。
それでも、ヒントを見つける方法なら知っています。
それは競合分析です。
競合分析とは、競合他店を分析し、強み弱みを明らかにし、自分の勝てる場所を見つけるために行います。
競合分析をやる店は多いんですが、分析を生かしている店は本当に少ないです。
競合分析の一番ダメな使い方は、ライバルの真似に使うことです。
売れている店を真似するのは安心です。実は、他店の真似は企画の通りも良かったりします。
しかし、これは売り手の考えなんです。
お客からしたら、近所に同じ店は2つ要らないのです。
あなたと私は違うから価値があるように、店も違うから存在価値があるんですよね。
一つ例を挙げるなら、競合分析を行うと普段意識することのない業界の変な常識が見えてきます。
たとえば、昔、アキバのパソコンショップは「相性による返品はできません」としていました。
相性とは、A社のパソコンでは動くけどB社のでは動かないと言うものです。機器には問題がないので返品は受けられないと言うものです。
でもこれ、変ですよね?
動くはずものが動かないのも問題だし、動かないものを店が無視するのも問題です。
恥ずかしいことですが、私は長い間「相性による返品はできません」に疑問を感じたことはありませんでした。
常識を持ち出すお客はクレーマーだと思っていました。
そんな私がおかしいと気づいたのは、追い詰められて行った競合分析のおかげでした。
反省した私は、会社の方針に逆らうことはしませんでしたが「相性による返品はできません」というストアポリシー、POPは売場から撤去しました。
人間、自分のことはわからなくても、他人の粗はよく見えるものです。
自分を知るために、競合分析を使ってみてはいかがでしょうか?
得るものは大きいです。ただ、くれぐれも真似には使わないように。