「ほしい」という人には売ってあげる、良くも悪くもそれが私たちの仕事です。
あなたは活字中毒と言う言葉を知っていますか?
活字を読まないと落ち着かないという、一種の依存症のようなモノです。
たぶん今風に表現するなら「活字依存症」という方がいいのでしょう。
ただし、かかりつけのお医者さんに聞いたところ、活字依存という病気は認められていないとのこと。活字を読む=本を読むという習慣は、好ましい習慣だからのようです。
実は私、活字中毒です
私は活字中毒です。活字を読んでないと落ち着かないのです。
朝起きると1時間本を読みます。
朝食を取りながら新聞も読んでいます。ニュースはネットで事足りるのに。
出かけるときも2冊本を持って行きます。Kindleもあるし、スマホもあるのに。
出先で時間ができると必ず書店に入ります。初めて行く場所でも書店の所在地は押さえておきます。
本屋に入ると2冊は買わないと気が済みません。1冊はよく知っているジャンルの本、もう1冊は知らないジャンルの本。
知らないジャンルの本は9割方、私としては外れです。それでも、思わぬ出会いがあるので止められません。
活字中毒なんてうらやましいと言われることがあります。確かに本を読むことが苦手な人からしたらそうかもしれません。
しかし、私のように文章を書くことが多い仕事には弊害が多いのです。
私、どんなに下手くそな文章でも、普通の人なら読む気にならないようなひどい文章でも読むことができます。
ただ、文章を書く仕事をする上で、このような文章は読むべきではないのです。
なぜなら下手くそな文章を読んでいると文章も下手くそになるからです。
そのようなときに書いた文章は、話が飛んでいたり、展開が強引だったり、文章がぶつ切りだったりします。
そういうときは、2ちゃんねるのような罵詈雑言だらけの掲示板を読んでしまうか、素人さんが小説を投稿しているサイトを見てしまうか、あるいはビジネス書しか読んでないときです。
そうして時間を無駄にした翌朝、メルマガや会員サイトの記事を書くのに苦しむことになります。
あなたが本屋なら?
あなたが本屋を経営していて、私のような活字中毒者がお客様にいたらどうしますか?
まさか「あなたは病気だから本を買うのは止めなさい」と言いませんよね?
タバコ屋は「あなたはニコチン中毒だからタバコを止めなさい」とは絶対に言わないはずです。
だって、そんなこと言ったらお客様を一人失うわけで。
活字中毒は病気ではありませんが、ニコチン中毒は病気です。病気と知りながら決して止めなさいとは言わないです。
あなたはちゃんと売っている?
あなたのお店、「ほしい」というお客様にちゃんと売っていますか?
大昔のパソコン屋のように「何に使いたいかわからないなら買うのは止めなさい」とか言っていませんよね?
商品知識が豊富な場合、このように店員がお客様を選ぶことがあります。事実、「使いこなせないお客様には売らないことが顧客サービスである」と公言する店員がいます。
冗談言っちゃあいけません。それは店員の傲慢です。万が一、お客様に合わなかったとしても、それはお客様が選んだ結果です。
お客様に買わせない権利も、義務も、責任も、私たちにはありません。お客様が欲しいものを全力で売ってあげることが私たちの責任なのです。
ニコチン中毒にはタバコを、活字中毒には本を、売ることが、私たちに仕事と言えるでしょう。その善し悪しは別にして。