切るのは、イヤなお客様ではなく合わないお客様

神田昌典氏は「イヤなお客様は切り捨てろ」と言ってベストセラーを送り出しました。

でも、どういうのがイヤなお客様なのでしょうか?

たとえば、お店の方針と合わないお客様は切るしかありません。高い質を提供している店と「安くしなきゃ買わない」お客様との相性は水と油です。こういうお客様は丁重にお引き取り願うのがお互いのためです。

しかし、「イヤなお客様」となるとちょっと違います。

私が某衣料品店に潜入していた頃のことです。売場のチーフから「あのお客様様は口うるさいから気を付けろ」と言われたお客様がいました。

ところがそのお客様、私は既に何度も接客していて、全然口うるさくありませんでした。それどころか、私の勧めるものを買ってくれる良いお客様さんでした。

そのギャップに興味がありました。

そこで、既に接客したことには触れず、チーフに質問しました。

「どう気を付けたらいいんですか?」

「言葉使いから動作から話す内容まで全部だよ。ちょっとしたことですぐ怒るんだ。できれば関わらない方が無難だよ」

「もっと声掛けしろ」が口癖のチーフがそう言うのです。よっぽどイヤな思いをしたんでしょうね。

でも、私は一度もイヤな思いをしたことはありません。コレってつまり、店側の対応の問題でしょ?

少なくても私にとっては「イヤなお客様」ではありませんからね。

こんな「イヤなお客様」を切ってもいいのでしょうか?

いいわけがありません。

切っていいのは「合わないお客様」だけにしてください。

     小宮秀一   
  コラム   

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