「古い商品は安くなる」のが商売の常識です。と言うか、商売人の良心です。
パソコンショップが、型落ちの古い商品を「新商品です」と言って売ったらクレームでは済みません。訴えられるか、消費者センターに駆け込まれるでしょう。店長は一人が辞めるくらいでは済まないかもしれません。
しかし、古い商品を新品と同じ価格で売って、それを当然としている状況があります。
あなたは牛乳を買ったことはありますか?
牛乳は新鮮な方が安心です。賞味期限のできるだけ新しい日付のモノを買いたいですよね。小さなお子さんのいる家庭なら特にです。
だから、ご婦人が棚の奥から引っ張り出して買い物カゴに入れるのはよく見る光景です。
売り手も、私たち買い手も、これを当たり前と思っています。
でも、待ってください。
どうして、賞味期限の古い商品も新しい商品も、同じ価格で買わされなければならないのでしょうか?
「古い商品は安くなる」のが商売の常識です。と言うか、商売人の良心です。
もちろん、私も売り手の端くれですから理由はわかります。賞味期限の違いごとに価格を変えるのは面倒な作業です。売場はただでさえ忙しいのですから、そんな面倒なことはやりたくないんですよね。
が、しかし!
ココには宝の山が転がっています。だって、お客様は新鮮なモノが欲しいわけです。誰が見ても明らかなニーズがあります。宝の山を放っておくなんて、まともな商売人のすることではありません。
この宝の山を生かすには、2つアプローチが考えられます。
たとえば、「賞味期限の新しい商品しか売らない」というストアポリシーを打ち出せば、徹底して鮮度にこだわる店とポジショニングできます。
鮮度管理なんてどこの店でもやっていることですが、「賞味期限の新しい商品しか売らない」とまで徹底すると圧倒的な違いになるわけです。
また、「賞味期限の古いモノは安くする」と言う方針で臨めば、価値に応じた価格=フェアプライスの店としてポジショニングできます。
生鮮食品の価値は鮮度です。だから、鮮度が異なれば価格が変わるのが経済活動としては当然のはずなんです。コレこそがフェア・プライスです。
この2つのアプローチのポイントは、「大手はやらない」と言うことです。
だって、ものすごく面倒だから。ローコストオペレーションの企業がこんなコストのかかることをできるわけがないのです。
「こだわり」って、他にもっと楽な方法があるのに、あえて面倒な方法をやることなんです。
あなたがやりたくないことって何ですか?
そこには宝の山が眠っているかもしれませんよ。