商品を買うだけなら店に来る必要はありません。PCや携帯電話の画面からカンタンに欲しいものを注文することができます。
それなのに、なぜ、お客様は店に来るのでしょうか?
お客様が店に来るのは、商品を見たい人、体験したい人がいるからです。
たとえば、本を買うとき。アマゾンで人が書いた書評を見るより、書店に行って、自分の目で確かめた方が手っ取り早いです。
やはり百聞は一見にしかずなのです。
商品を体験できることこそ、店の最大の強みだと肝に銘じて起きましょう。
ところが、このせっかくの強みを、自分から捨てている店は少なくありません。
たとえば「商品には手を触れないでください」と張り紙をしている店。
これは問題外です。
最近では少なくなりましたが、寂れた商店街ではよく見かけます。「商品は自分のものだ」と勘違いしてるオーナー店長の店が多いです。幸い、私が勤めた店のオーナーはこんなことは言いませんでした。
体験できなければ店に行く理由もありません。お客様が店に来なければ売れないのは当たり前です。
「お試しは店員に声を掛けてください」
これは少しはましですが、程度によります。
東南の危険の高い商品ならこの方法もやむを得ません。100万円の腕時計を自由に触れるようにしたら、その日のうちに盗まれるでしょうしね。
しかし、専任の担当者をつけていない商品だったら、お客様は店員を探さなければなりません。
80%のお客様は店員に声を掛けられたくありません。売りつけられると警戒するからです。それでも、お客様が自分から声を掛けるのは平気だと思いますか?
私には思えません。
それに、お客様は面倒くさがりなのです。「ちょっと試してみたい」程度のお客様がわざわざ店員を探してまで試すでしょうか?
また、「店員が商品を知らなくてイライラした」と言うクレームは、実は定番クレームの一つです。そんな経験を日常のようにしているお客様が、店員を探すリスクを追うとは、私は思えないんですけどね。
このような場合、私だったら担当者を付けるか、取り扱いを止めます。
お試しが必要な商品なら、体験してもらった方が必ず売上は増えます。だから、専任の担当者を付ける意味があります。