あなたは売場で次のような光景を見たことはありませんか?
お客様がある売場で立ち止まりました。何か気になる商品を見つけたようです。しばらく見ていたと思ったら突然立ち去ってしまいました。
または……売場案内を見ていたお客様が歩き出しました。お目当ての売場を見つけたようです。ところが、売場に近づいたと思ったら突然足を止め、立ち去ってしまいました。
どちらもよく見かける光景だと思います。あまりにもよく見かけるので、気にしたことがない人もいるかも知れません。
私もアキバにいた頃は「他店の方が安かったんだろう」くらいにしか考えていませんでした。
ところがそうではなかったのです。
私がそうでないと気づいたのは、アキバを出て、地方店の店長で苦しんでいたときです。
そこには、お客様が買う気を失う何かがあるのです。
- 床が汚れている
- 床にゴミが落ちている
- 商品が埃をかぶっている
- 陳列台に埃が溜まっている
- 陳列台の中で虫が死んでいる
- ショーケースのガラスに指紋がベタベタ付いている
- 試着しようとした服の糸がほつれている
- 試着しようとした服にシミが付いている
- 体験できる商品が汚れている
- 店員のピアスが不気味
- 店員の制服が汚れている
- 店員のワキガが臭い
- トレイの消臭剤の匂いが臭い
- 破れたポスターがそのまま貼ってある
- 剥がしたセロテープの後が汚い
- プライスカードが色あせている
- POPが汚れている
どういうわけか私たちは、お客様が不快に感じるのは店員の応対だと思い込んでいます。
しかし、それは事実ではありません。ココに挙げたように、不快に感じるのは店員の応対以外のことの方がはるかに多いのです。
店員の応対はクレームを言いやすいですが、それ以外の不快なコトについてはクレームを言いにくいです。
「あの接客は失礼だ!」というのはカンタンですが、「床にゴミが落ちていて失礼だ!」とはなかなか言いにくいです。
クレームがあれば気づくことはできますが、クレームがなければ気づくことはありません。
お客様を不快にさせているのに気づいてないのです。何と恐ろしいことなのでしょう!
「他店の方が安いから」とか、「立地が悪いから」とか、「商品が悪い」とか、どうにもならないことを嘆く前に、最低限、お客様に不快な思いをさせない売場を作りましょう。
そのためには1に基本の徹底、2に基本の徹底、3も4も5も基本の徹底あるのみです。