「二度あることは…」ではなく「三度目の正直」

よく「売場の雰囲気が暗い」という質問を頂きます。

はっきり言っておきますが、こういうのを部下のせいにしてはいけません。

店の有り様は、店長の性格で決まります。私のようなズボラな性格だと売場が荒れます。

部下が悪いのではありません。だって、店長が交代したら「同じ店か!?」と思うくらいピカピカになるんですから。

誰が悪いって、前任の店長=私が悪いんです。

ただ、売場の雰囲気が暗くなるのは、店長の性格というよりは、言動による影響の方が強いかもしれません。

私は5回リーダーシップ研修を受けたことがあります。

その研修に、いきなりテーマを与えられて、5分間スピーチをするというトレーニングがありました。

実はコレ、アドリブ対応力を養うトレーニングではなく、言葉の癖を自覚するためのトレーニングです。

スピーチはビデオに撮影され、再生され、受講者全員に評価されます。私は生け贄に一人になってしまいました。

自分の話を聞かされるのはものすごく恥ずかしいですが、思わぬ発見がありました。

私の言葉はネガティブなんです。

その当時、売上が思うように上がらない時期だったこともあるんですが、それにしてもネガティブでした。

元々私はブラック・ジョークが好きです。

たとえば、無茶な発注をする部下には「こんなに仕入れて会社を潰す気か!」とか言ってしまいます。

「もうすぐ月末なので不要不急の発注はしないように」で止めとけばいいのに、「年末に倒産するのはみっともないからな」と余計な一言を付け加えて、部下を不安にさせてしまいます。

長い付き合いの部下ならジョークとわかってもらえますが、私のよく知らない部下の場合はコレでビビってしまいますよね。後々、コレでひどい目に遭うんです。

自分では面白いと思って言っているんですが、部下にはいい迷惑です。講師にも、「ネガティブなことを言うのは止めなさい」と指摘されました。

まあ、止めなさいと言われて止められるようなら誰も苦労しません。「止めなさい」で禁煙できたらどんなに楽か!

で、私が考えた対策は、名付けてポジティブ突っ込み。

ポジティブ突っ込みとは、「二度あることは三度ある」と考えるのではなく、「三度目の正直」と考えることです。

説明するより、例を挙げた方が早いかも…

  • 恋人と別れて落ち込んでいる人に「新しい出会いが楽しみだね」、あるいは「しばらく仕事に専念できるね」。
    ※あくまでも例です。ちなみに私は、恋愛相談を受けない店長だったので効果があるかは不明です。
  • 売上計画が達成できなかったときに「まだできる仕事があるってコトだ」。
  • ライバル店の安売りが激しいときに「安いお客はあっちに任せておこう」。
  • 上司が自分のアイデアを受け入れないときに「オレの力を恐れている」。

店長がポジティブ突っ込みを繰り返していると、売場の雰囲気は明るくなります。

「明るくなったら売れる」という単純な話では、もちろんありませんが、暗い店にお客は寄りつきません。明るくなるのは大いなる一歩と言えるでしょう。

ちなみに、私のように根暗な人はリハビリにちょうどいいです。ってこういうのがネガティブなんですね。

     小宮秀一   
  コラム   

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