口コミはもっとも効果の高い宣伝活動です。
お客様は売り手の言うことはなかなか信用しませんが、同じお客様の言うことなら信用するからです。
20世紀末までは「口コミはコントロールできない」と言うのが定説でした。
それが変わったのが、2000年に日米同時発売されたマルコム・グラッドウェルの「ティッピング・ポイント」以降です。
「ティッピング・ポイント」は、流行や社会現象が広がる理由を、記者らしい丹念な取材から解き明かした本です。「ティッピング・ポイント」以降、日本でも口コミに関する本が一気にブームになりましたが全部この本がネタ元です。
もっとも、著者の狙いはあくまでも流行や社会現象が広がる理由を解き明かすことで、口コミを仕掛ける方法を書いたものではありません。
しかし、この本から口コミを仕掛けるポイントがわかります。
1.わかりやすさ
店のことを口コミしてもらうにはわかりやすさが重要です。わかりやすいだけで口コミが起こるわけではありませんが、わかりにくいと口コミは起こりません。
たとえば、価格で勝負している店は「あの店、安いよ」と友達に伝えやすいです。逆に、質で勝負している店も「ものすごい親切な店だよ」と伝えやすいです。
2.キーマンを見つける
ティッピングポイントによると、流行を広める人間はごく少数の人間だと言うことです。これは私も同意できます。お客様を紹介してくれる人ってほぼ決まっていますからね。だから、口コミを仕掛けるには、口コミを広めてくれる人を見つけることが重要です。
ティッピング・ポイントに書いてあることではなくて、私のデータですが、お客様を紹介してくれるのは圧倒的に女性で、男性はなかなか紹介してもらえません。
女性は、良いものを共有したいと思うのに対し、男性は競争意識が強いため、良いものを独占したがるから、と私は考えています。したがって、口コミを仕掛ける相手は男性よりは女性の方がいいです。
また、多くの人に接する仕事をしている人も口コミの仕掛け人には最適です。学校の先生、セミナーの講師、営業マン、セールスマン、町内会の会長、団体の代表、経営者等々。人前で話す機会のある人なら口コミの仕掛け人の有力な候補です。
3.口コミツールを提供する
集客する際は集客ツールを用意しますが、それと同じ狙いで口コミ仕掛け人には口コミツールを手渡します。
せっかく店のことを話してもらっても、実際に店に来てもらうには高いハードルがあります。
これは集客の課題と同じです。だから、口コミツールは集客ツールの応用で構わないでしょう。
おそらく、今すぐ使える口コミツールは名刺でしょう。
あなたはお客様に名刺を渡していますか?
渡してないのは問題外ですが、「他にお困りの方がいらしたらぜひご紹介ください」と2~3枚余分に渡すのは基本です。
ちなみに、コレほどの良書なのに「ティッピング・ポイント」は既に絶版のようです。