このジャケットを買わないでください

――Patagoniaが11月の最終週に出した広告より。

私たちが作るすべてのものはこの地球から、戻すことのできない何かを奪っています。

パタゴニアのウェアのひとつひとつが、たとえそれがオーガニックであれリサイクル素材を使ったものであれ、その重さに対して何倍もの温室ガスを排出し、最低でも半分の廃棄物を生み、地球上のあらゆる場所でだんだんと希少になっていく淡水を大量に使用しているのです。

ニューヨーク・タイムズ紙に広告を掲載した理由は、それが国内で最も重要な新聞であり、「記録の新聞」として知られているからです。

私たちはこの広告をホリデーのショッピングシーズンの開幕日である「ブラックフライデー」に掲載しました。

ブラックフライデーに購買を控えることを求めている会社は、この国でも私たちだけでしょう。

けれども、私たちは物を作り、売るビジネスをしています。

私たちの給料はそれに依存しています。そればかりか私たちのビジネスは成長しており、新しい直営店をオープンさせ、カタログの発行部数も増えています。

私たちを偽善者だと呼ぶお客様にはどう答えたらよいのでしょう。

「ビジネスを手段として環境危機に警鐘を鳴らし、解決に向けて実行する」というのが私たちのミッションの一部です。

私たちは環境を改善するための仕事をしているのですから、お客様に「購買はよく考えてから」と奨励しないことの方が偽善なのではないでしょうか。

Patagoniaは、ミッションを使って売ることで、売上が5倍になり、それが3、4年も使われ続ける広告となった。

     小宮秀一   
  コラム   

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