現状維持は後退なのか?

あなたは「現状維持は後退である」という言葉を聞いたことはありますか?

この言葉の後には大抵次のように続きます。

「お客のニーズはものすごいスピードで変わっています。今うまくいっていることもすぐにダメになります。新しいことにチャレンジしないと時代に取り残されてしまいます。」

ね? よく聞くでしょ?

これ実はコンサルタントのセールストークなのです。

私は電気屋時代に13人のコンサルタントと付き合っています。コンサルタント評論家を名乗れるくらい奴らの手口はよく知っています。

話は単純です。

売上が順調な店はコンサルタントを雇おうとは思いません。なぜなら、コンサルタントなしで売れているわけですからね。

だからといって引き下がるようじゃ商売人ではありません。

そこでセールスの常道、利益と脅迫の出番です。

売上が順調な店に「売上がもっと上がります」と言う利益では弱いです。したがって「今のままではダメになりますよ」と脅迫するわけです。

それが「現状維持は後退」なのです。

この言葉自体には何の罪もないのですが、あまりにもコンサルタントから聞かされるので私はすっかり嫌いになりました。

それに、うまく行っているのを「現状維持は後退」と変えて失敗することって多いんです。しかもやっかいなのは、メンツがあるので失敗と認めたがらないんです。

あなたも正直に振り返ってみてください。変えて本当に良くなりましたか?

流れがよくなったとか、評判がいいとか言った「感じ」ではなく、以前より売上は上がりましたか?

「現状維持は後退」は部下のケツを叩くにはいいですが、本気でやっちゃいけないないのです。

正しいのは「うまくいっているならいじるな!」です。

最後までお読みいただきましてありがとうございました。

     小宮秀一   
  コラム   

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