「しつけができている人採用すべき」?

“明石新米店長”さんから「やはり、しつけができている人を採用した方がいいのでしょうか?」というメールを頂きました。

“明石新米店長”さんは新人アルバイトの指導中に耳を疑う経験をしたそうです。

“明石新米店長”さんのメールより。

新人のバイトより1年先輩のバイトが雨で濡れた床をモップで拭いていました。

新人が黙って見ていたので『代わってあげて』と指示すると、『どうしてですか?』と言われました。

そんなことを言われると思わなかったので驚きました。

『先輩を手伝うのは常識でしょ?』と言うと『そんなこと自分は知りませんが』と言われました。

こんなの常識と思うのですが、そこまで指導しなければいけないのでしょうか?

それとも、しつけができている人を採用した方がいいのでしょうか?

まず、「しつけができている人を採用した方がいいのでしょうか?」についてはその通りです。

ただ短い時間で見極める方法が限られますよね。

パート・アルバイトの採用には使いにくいと思います。

それを踏まえて「こんなの常識と思うのですが、そこまで指導しなければいけないのでしょうか?」という質問に答えます。

お店は高校生や大学生と言った若いアルバイトを採用していますか?

採用しているなら店でしつけをする覚悟が必要です。

なぜなら、彼らは社会人としての訓練を一切受けていないからです。

たとえば「先輩を手伝うのは常識でしょ?」は体育会系の部活経験者なら知っているかもしれません。

でも、文化部やサークル、帰宅部では知らなくてもおかしくないです。

店でしつけをする覚悟がないなら若い人を採用してはいけません。

若い人を採用したいなら、社会人としての常識を教えるのは店の責任だと覚悟して下さい。

常識を教えるとは「先輩を手伝うのは常識でしょ?」と言うことではありません。

「なぜ先輩を手伝わなければならないのか?」を教えることです。

「どうしてですか?」と聞かれたら、私ならこう答えます。

「先輩の方が君よりもたくさんの仕事を、より速く、正確にできるからです。先輩が床掃除をするのと君が床掃除をするのと、どちらがお客様のためになると思いますか?」

お客様を主語にすればそれらしい理由が作れます。

時間がないとは言わせませんよ。

たとえば、「代わってあげて」から「どちらがお客様のためになると思いますか?」までやっても3分かかりませんからね。

人を育てるのは、品揃え、売場作りと同じくらい重要な仕事の一つです。

だって店は人なんですから。

     小宮秀一   
  コラム   

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