陳列什器の高さと見通し・迫力・居心地

売場の見通しをよくすると、お客により多くの売場を歩いてもらうことができます。

しかし、見通しだけを追求するのは賛成できません。

たとえば、売場の中央の陳列什器をすべて平台にすれば見通しはよくなりますが、品揃えできる商品量が少な過ぎて、お客の満足できる品揃えができません。また、お客が他人の視線を感じやすくなり居心地がよくありません。

陳列什器の高さは見通しの良さ、陳列の迫力、居心地の良さ、と言った矛盾に対し、どう折り合いを付けるかで決まります。

・高さ90センチ

展示台、平台、ショーケースの高さがコレです。見通しはものすごくいいですが、低すぎて商品量が少なくなってしまいます。

また、他人の視線を感じやすくなり、居心地がよくありません。

短時間で買物を済ます店に向いている高さです。

・高さ120センチ

見通しはいいですが陳列の迫力が出ません。この高さで陳列の迫力を出すには、最上部に商品を積み上げる必要があります。

そのような陳列が可能な商品ならこの高さでもいいでしょう。

・高さ135センチ

見通しがよく、陳列の迫力もそこそこ出せる高さです。他人の視線もそこそこ遮ることができます。専門店型の売場には最適な高さです。

・高さ150センチ

女性客には圧迫感のある高さです。陳列の迫力、見通しの良さ、居心地の良さ、すべてを

満たすのはこの高さが限界です。

・高さ180センチ

売場の見通しは悪くなります。他人の視線は完全に遮られるので居心地はいいです。

商品陳列の迫力を最優先にするならこの高さでもいいでしょう。

什器の背板をスチールネットにすれば多少見通しはよくなります。

・高さ210センチ

商品のサイズによってはこの高さの什器が必要なこともあります。

しかし、そのような商品は壁面に陳列すべきです。

この高さの什器を売場中央に配置しなければならないときは吊り看板を活用して売場案内をわかりやすくしましょう。

         小宮秀一   
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