【セクション6】なぜ、50%なのか?

もし、あなたがカンタンに売上を上げたいなら、売上ランキング上位10%のアイテムで、売上の50%を占めている必要があります。なぜなら、売上を上げる難易度が段違いだからです。

たとえば、売上ランキングに2000アイテムあったとします。売上ランキング上位10%は200アイテムです。

200アイテムで売上の50%以上を占めている場合、200アイテムの売上を20%上げれば、全体の売上を10%以上増やすことができます。ところが、200アイテムの売上構成比が30%の場合、200アイテムの売上を20%上げても、全体の売上は6%しか増えないです。この場合、売上を10%増やすにはもっと多くのアイテムが必要です。

が、しかし! 売場は有限な経営資源です。使えるスペースには限りがあり、売場には売れる場所、売れない場所があります。しかも、売れる場所は限られていて、そこに置けるアイテム数も限られています。私たちはすべての商品を売ることはできないのです。

もし、あなたの店で、売上ランキング上位10%のアイテムの売上構成比が50%未満なら、「売れる商品をもっと売る」と覚悟を決めて売り込む必要があります。

50%未満の場合

50%未満では売上を作る難易度が高いです。したがって、売上ランキング上位10%のアイテムの売上構成比が50%未満の場合は、売れる商品を作らなければなりません。売れる商品を作るにはどうしたらいいのでしょうか?

欠品を阻止する

欠品をゼロにすることは不可能です。しかし、品切れさせたら顧客の期待を裏切る商品があります。たとえば、電気屋が電池を欠品させるとか。そのような商品の欠品は何としても防がなければならないです。

発注量を倍にする

50%未満の店は、「売れ筋」と呼べる商品がないのが特長です。こうなる理由はカンタンです。発注量が少なすぎるのです。

たとえば、20アイテムあったとして、発注量が全部3だったら?

全部売っても3です。売上ランキングには同率1位が20並ぶことになります。これでは「売れる商品」など見つかるわけがありません。

売れる商品を作るにはこの悪循環を断ち切らなければならないです。そのためには、あなたが「これが売れそう」と思う商品の発注量を今の倍にしてください。

売りたい商品を目立たせる

ココまでだったらあなたも過去にもやったことがあるはずです。でも、売れなかったり、廃棄が出たりした。だから「本部/バイヤー/問屋の言うことなんか信じられない」となってしまったのでしょう。

しかし、商品を置いておくだけで売れるなんて夢物語です。たとえ現実にあったとしても、成長期のごくわずかな期間だけに起こる夢物語です。そんなのは例外中の例外と言っていいでしょう。

普通、商品は売り込まないと売れないです。もっと売ろうと思ったら、売り込むために、あらゆる施策を投入しなければならないのです。

  • 売場の優位置に置く
  • ダイヤモンドゾーンに陳列する
  • 展示する
  • 実演する
  • 商品のベネフィットを見つける
  • セールスメッセージを作る
  • 集客メッセージを作る
  • 販売POPを付ける
  • 集客POPを付ける
  • 声出しをする
  • 接客する
  • 店頭で告知、声出し、展示する
  • 店内でチラシを配る
  • 買い物袋にチラシを入れる
  • 店頭でチラシを配る
  • お得意様にメールやSNSで伝える
  • ブログやサイトに掲載する

コレだけやっても売れないなら、その商品は売れない商品と言っていいでしょう。しかし、私の経験上、ココまでやって売れなかった商品は一つもありません。ココまでやれば不良在庫ですら売れてしまいます。

だからと言って、不良在庫にココまで手を掛けるのはどうかと思います。同じ手間なら、売れる商品に掛けた方がはるかに得るものは大きいからです。

売れる商品をもっと売って、売上ランキング上位10%のアイテムで、売上の50%を占めるようにしてください。そうすれば売上を上げるのが今よりずっとカンタンになるでしょう。

 50%あるのに売れない

売上ランキング上位10%の商品で売上の50%を占めている。それでも、売れない場合があります。その場合は、売上ランキングの上位に売れない商品が入っている可能性があります。

売上ランキングの上位なのに売れない商品とは?

特売品

特売品はニーズがよくわかりません。元々ニーズがあるから売れたのか、それとも安いから売れたのか。コレを見極めるのは難しいです。

私は難しいことはやらないことを勧めます。したがって、売上ランキングから特売品は除外してください。

旬を過ぎた新商品

真面目に扱っていたら、新商品は売上ランキングの上位に来ます。しかし、それが問題になるのですからわからないモノです。

売上ランキングは過去の数字の積み上げです。直近の売上傾向まではわからないのです。

たとえば、週間売上ランキングで100個売れていたとします。しかし、日毎の売上が、先週末に80個、今週初めに20個、週半ばからは0個だとしたら?

この新商品、旬が終わってしまったのかもしれません。そのような商品をもっと売ろうとしても難しいですよね。

旬を過ぎた季節商品

同じことは季節商品にも言えます。季節商品は季節になると売れますが、季節を外れると売れなくなります。旬を過ぎた季節商品をもっと売ろうとしても難しいです。

つまり、売上ランキングから、旬の過ぎた新商品と季節商品も除外する必要があるわけです。

特売品、そして、旬の過ぎた新商品と季節商品を除外した売上ランキングに残るモノが、真の売れる商品です。