店作りに難しいことは一切ありません。やって当たり前のことを当たり前にやれば必ず売れる店にできます。売れないのは当たり前のことができていないか、当たり前のレベルが低すぎるのです。
どうしてそんなことが言えるのでしょうか?
それは、小売店を営業している経営者はみな同じことを言っているからです。
私が聞いたり読んだりした経営者では、イトーヨーカ堂の伊藤さん、鈴木さん、イオンの岡田さん、ユニクロの柳井さん、伊勢丹の小柴さん、西武、そごうを立て直した和田さん、丸井の青井さん、ダイエーの中内さんは同じことを言っています。
同じ言葉でも、鈴木さんや柳井さんが言うと「さすがすごい」となるのに、ダイエーの中内さんが言っているのは無視されます。こう言うのを水に落ちた犬は叩かれるって言うのですね。
彼らが言っていることは概ね3つにまとめることができます。
- お客様の立場に立って考える
- 快適な売場を提供する
- お客様の満足を追求する
ただ、経営者と言うのは頭がいいです。だから、私のように頭が悪い人間にはわかりにくい言い方をします。
「お客様の立場に立って考える? どうやって?」
「快適な売場を提供する? 快適な売場ってどんな売場?」
「お客様の満足を追求する? お客様の満足って何?」
これだけでは何をやればいいかわからないです。
そこで、この3つの基本原則を、私小宮がもっと具体的にしたものを提供します。それが次の最低限やるべき5つの基本です。
- 4S(整理・整頓・清潔・清掃)の徹底
- 豊富な品揃え
- 鮮度の高い商品と売場
- 欠品の阻止
- 感じのいい店員
なぜ、この5つが最低限やるべき基本なのか、あなたはわかりますか?
それは、一度買ったお客様に、また次来てもらうために必要なことだからです。近所の人に、繰り返し買って頂く、あるいは、より高額の商品を買って頂く以外に、売れる店になる方法はないです。店作りとはリピーター作りのことなのです。あなたの店が売れる店になれないのは、リピーターが買ってくれないからなのです。
どうして5つの基本がリピーター作りに繋がるのでしょうか?
それはお客様がリピートしない理由を考えればわかります。お客様がリピートしない理由は4つあります。
- お客様が来店できなくなる
死亡、病気、転居、転勤、入学、卒業、就職など。 - お客様が店を忘れる
- お客様が店に飽きる
- お客様が店を嫌いになる
この4つのうち、お客様が来店できなくなるについては、私たちにできることはありません。
つまり、お客様にリピートしてもらうには、忘れさせない、飽きさせない、嫌われない、の3つを意識することです。そのためにできるもっともカンタンな方法が5つの基本の徹底なのです。
他の基本は無意味なのか?
店作りの基本とされるものは、5つの基本以外にもたくさんあります。たぶん、あなたは「あれがない」、「これがない」、「それはどうした」と思っていることでしょう。もちろん、そうした基本が無意味なのではありません。良い店を作るには必要です。
しかし、いくら良い店を作っても、売れなければ店を続けていくことはできません。お客様の幸せのためにも、良い店を作る前に、売れる店を作らなければならないのです。
売上が上がる保証はない
5つの基本を徹底しても売上が上がる保証はありません。なぜなら、売上を作るにはまた別な技術が必要だからです。
それでも、既に売れる仕組みがある店の場合、基本の徹底だけで160%の売上増を達成したケースがあります。
働き始めた当初はお店が汚かったので徹底的に掃除と整理整頓に努めました。以前はレジ周りはホコリ、通路にホコリ、階段にホコリとたいへんでした。
驚くかもしれませんが昨対比160%近くです。しかし、売上はもっと伸びていいと思っています。(アパレル店員さん)
残念ながら私にはあなたの店にそのような仕組みがあるか知る方法はありません。ただ、5つの基本を徹底できれば最低でも今よりリピーターを増やすことはできます。したがって、前年を上回れるかどうかはわかりませんが、前年割れに歯止めを掛けることくらいはできます。
いくらお客様を集めて売上を上げても、リピートしてくれなければ穴の空いたバケツで水をくむのと一緒です。売れる店にしたいならまずは店作りの基本の徹底から始めることをお勧めします。
ところで、もし、あなたが店作りの基本についてもう一度学び直したいならこちらがお勧めです。アクセスできない方はこちらからお申し込みください。