【セクション7】今売場にいるお客様に売る

売場にお客様がいるなら今スグ売上アップできる方法が3つあります。

  • 買上点数を増やす
  • 高い商品を買ってもらう
  • 買上率を上げる

どうしてだかわかりますか?

この3つは、今、売場にいるお客様に対してできることだからです。今、売場にいるお客様は2つのタイプに分かれます。

一つは、買いに来たお客様。このようなお客様に、もう少し多く買ってもらう、あるいはもう少し高い商品を買ってもらえば、今より売上を上げることができます。

もう一つは、買い物以外の目的で来店したお客様。たとえば、トイレを借りただけ、立ち読みしに来ただけ、涼みに来ただけ、暖を取りに来ただけ、雨宿りに寄っただけ、等。こうしたお客様に一人でも多く買ってもらえば売上を上げることができます。

売場にお客様がいる場合は、今スグ売上を上げることができるわけです。

買い物カゴを使ってもらう

客単価を上げる、もっともカンタンな方法がお客様に買い物カゴを使って頂くことです。

なぜ、買い物カゴだけで客単価が上がるのでしょうか?

理由は単純です。お客様は手に持てる以上の商品を買うことはできないからです。

買い物カゴを持っている場合、買い物カゴに入るだけの商品を買うことができます。しかし、買い物カゴを持っていない場合、買えるのは両手で持てる商品だけです。「もう持てない」という制限が買う気をストップさせてしまいます。

お客様を買いたい気持ちにさせるため、また、させ続けるためには買い物カゴを使って頂く必要があるのです。

たくさん買うと得をする

たくさん買ってもらうには、お客様にたくさん買うことのメリットを提供すればいいのです。

例)

  • 3個買うと1個タダ
  • 3個買うと1個半額

数を制限する

少しだけ多く買ってもらうのには小手先のテクニックがあります。少しだけ多く買ってもらいたい商品に次のPOPを付けて下さい。

「お一人様×コまで」

対象商品として効果的なのは限定のある特売品です。特売で単価が落ちるのを買上点数増でカバーすることができます。

松竹梅の法則

高い商品を売りたいなら、何よりもまず、お客様に高い商品を見せることからはじめて下さい。

コレはつい忘れがちなので注意が必要です。お客様は知らない商品を買うことはできないのです。お客様に商品を知ってもらうためには商品を見てもらわなければならないのです。

そもそもあなたのお店、高い商品を品揃えしていますか?

高い商品がなければ単価が上がらないのは当たり前です。高い商品を売りたいなら、何よりもまず、高い商品を品揃えすることが重要です。

グレードの異なる選択肢を増やすことで、お客様を高い商品へ誘導することができます。

なぜなら、グレードの違う商品が松、竹、梅と3つあると、人は真ん中を選ぶ傾向が強いからです。コレが松竹梅の法則です。

売れ筋の隣に陳列する

セルフ販売の店なら同じカテゴリーに属する、売れ筋の隣に陳列するのがカンタンです。

売れ筋は多くの人が目にする商品です。その商品の隣にあれば高い商品も多くの人の目に触れます。高い商品を見た人のうち、何%かは興味を持つはずです。

高い商品に興味を持つ人を増やすには売れ筋の隣に陳列するのが一番カンタンです。

比較表POP

お客様が高い商品を買わないのは、安い商品との違いがわからないからです。

たとえば、258円のトイレットペーパーと498円のトイレットペーパーがあったとします。もし価格以外の違いがわからなければ、100人中100人が安い方を買うでしょう。

しかし、498円のトイレットペーパーは痔の人に優しい素材でできているとしたら、100人中3人くらいは高い方を買うでしょう。

つまり、高い商品には高いなりの理由がある、そう説明できれば高い商品を選ぶお客様は増えるわけです。

高い理由を見せるのに、もっともお客様にわかりやすいのが比較表です。比較表をPOPにしたのが比較表POPです。

比較表POPの効果は絶大です。

私がフロア・マネージャーをやっていたパソコン売場では、比較表POPを導入したところ、下位モデルの売上がゼロになりました。比較表POPによって下位モデルのコストパフォーマンスの悪さが明らかになってしまったからです。

それ以前は20%ほどの割合で下位モデルも売れていました。その売上がゼロになって、在庫を持つ必要がなくなり、単価がアップしました。

そんな比較表POPの効果をあなたもぜひ実感して下さい。後ではなく、今スグ、比較表POPを作りましょう。