私はよく、店作りに誰も知らない秘密のノウハウや、米国生まれの画期的ノウハウなどないと言っています。
これは半分はコンサルタントの営業トークへの皮肉なんですが、半分は事実です。
なぜなら、店には誰でも入ることができ、売場と商品を見れば裏で何が行われているか、同業者ならカンタンにわかるからです。
誰でも店に入れる以上、秘密にしようたって無理なんです。
ノウハウなんかいくら知られたっていいんです。どんなに優れたノウハウも、実行されなければ何の価値もないからです。
先日はブログにも「レベル低すぎ」と言うコメントがありましたが、私は店作りの基本を記事にしています。
と言うか私は、誰も知らない秘密のノウハウや、米国生まれの画期的ノウハウなど持ち合わせていません。
そもそも、基本以外にやることってあるんでしょうか?
地方の寂れた商店街に行くと、「売れないのは本当に大手が郊外に出店したせいなの?」と思うほど基本ができてない店が多いです。
店名が剥げ、ボロボロになった看板、積年の汚れのしみこんだ什器、ホコリを被った商品、お客に無関心な店主、逆に、お客を万引き犯のように見る店主等々。
こんな光景を見ると「何だよ、売れないのは自分のせいジャン」と思うのです。
「店をきれいにしましょう」と言うのは基本です。彼らだって知っています。わかっちゃいるけどできないんです。
では、なぜ、できないんだと思いますか?
それがわかったら商売になりそうですが、もちろん、私にはわかりません。
ただ、一つだけ心当たりがあります。
それは、自分でやるより、人にやらせるほうがカンタンと言う事実です。
たとえば、私は仕掛けを考えるのは得意だし、好きですが、生来の怠け者なので実行するのは苦手です。
私は典型的なクチだけ野郎なのです。私がオーナー店長だったら3ヶ月で店を潰すでしょう。
でも、私の店には、部下がいて、サポートしてくれる後方部門の人がいました。
私が仕掛けを考えたら、あとは、後方部門にチラシと販促物を作ってもらって、部下に商品を手配してもらい、売場を作ってもらえばいいわけです。
これなら私に実行力がなくても関係ありません。
怠け者の言い訳に聞こえそうですが、この方が部下は育つと思います。
つまり、わかっちゃいるけどできない人って、能力の高い人なんだと思います。
何でも自分できるので人に任せることができない、だから、実行できないんだと思います。
でも、実行できないくらいだったら不恰好でも人に任せたほうがいいのでは?
どんな素晴らしいノウハウも、実行されなければ何の価値もないのですから。