あなたはデータを味方にしていますか?
現場は感覚派が多く、数字が苦手な人が多いです。
しかし、苦手だからと言って遠ざけていると、データが敵になってしまいます。
たとえば、「客数が少なくて売上が上がらない」と言う事実があったとします。
データ自体は単なる事実です。本来は敵でも味方でもありません。
しかし、これを「お客が来ないから売れない」と報告すると、言い訳と受け取られてしまいます。
「お客が来ないから売れない」とは、商売の歴史と同じくらい古い言い訳なのだそうです。
もっとも、言い訳と思われるくらいならまだましです。
「つまらない言い訳をするようなヤツがダメだ」と見切られるかもしれません。そうと思われたら最後、あなたは店番としか扱われなくなります。
誰が店番ごときの言うことに耳を傾けるでしょうか。
ところが、事実は同じ(客数が少なくて売上が上がらない)でも、「先週の平均来店客数は一日20人、買い上げ客数は18人」と言うと格段に現実味が増します。
客単価が2千円なら、全員に売っても売上は2万円にしかなりません。
つまり、売れないのは来店客数が足りないからだと言うことが明らかになります。
「お客が来ないから売れない」なんていう必要はないんです。データに語らせればいいんです。
その結果、「なるほど、客数が足りない。客数を増やす手立てを講じなければ」と理解され、目玉商品が提供されたり、特別に予算が付いたりするわけです。
事実は同じでも、データを使って語ることで前向きな反応を引き出すことができます。
あなたの強い味方になってくれるデータは、POSではわからないデータです。
たとえば、来店客数。
来店客数をカウントする機械が付いていなければ、来店客数のデータは店で調べない限りわかりません。
販促の効果を確かめるのに、来店客数ほどわかりやすいデータはないと思うんですが、わかっている店は少ないです。
もしかしたら、来店客数がわかると都合の悪い人がいるのかもしれませんね。
そして、もっとも使えるデータがお客へのアンケート。
アンケートで何を調べるかと言うと、仮説の検証です。
たとえば、あなたの店は何歳くらいの人が来店しているでしょうか?
顧客管理をしていない店だと印象でしかわかりませんよね。
売場は中心となる年齢層に合わせたほうが居心地のいい空間にできます。
高齢者が多ければ値札の文字を大きくするといった工夫も必要ですよね。
また、お客は近所に住んでいる人が多いのでしょうか?
勤め先が近所の人が多いかもしれません。
もしそうなら、新聞折込チラシやポスティングでは、メッセージが届かないと言えますよね。
注意したいのは、データから「何か」を読み取ろうとすることです。これではデータに振り回されてしまいます。
データは「何か」を読み取るために使うのではなく、仮説を検証するために使うのです。
そうすればデータはあなたの強い味方になってくれます。